トヨタは2025年5月23日、新型「カローラクロス」の一部改良モデルと、新たに「GR SPORT」グレードを設定すると発表しました。

　今回の改良では、シリーズの根幹にある「良品廉価」「変化」「プラスアルファ」という3つのキーワードをさらに深化させ、扱いやすさと品質の高さにいっそう磨きをかけました。さらに、新たにスポーティなグレードを設定することで、多様なニーズに応えるモデルへと進化を遂げています。

　1966年に誕生したカローラシリーズは、信頼性・経済性・実用性を兼ね備えた設計思想により進化を続けています。現在では150以上の国と地域で累計約5546万台（2024年12月時点）を販売する、トヨタの屋台骨ともいえるロングセラーです。

　カローラクロスは、2020年に登場したカローラ初のSUV。従来のセダンやワゴンではカバーしきれなかったライフスタイル層に向けて展開され、日本でも2021年から販売が開始されました。広い室内空間や荷室容量を確保しつつも、都市部でも取り回しやすいサイズ感が支持を集め、国内外で支持を集めています。

　今回登場した新たな一部改良モデルは、内外装の大幅改良や装備の強化に加えて、新グレードGR SPORTが初設定されました。

　GR SPORTとは、TOYOTA GAZOO Racingが培ったモータースポーツのノウハウを日常使いの車両に落とし込んだスポーティグレードで、走行性能の向上だけでなく、デザインや機能美にも徹底してこだわっています。

「GRの走りの味を継承する」として登場したカローラクロスGR SPORTは、高熱効率・高出力の2.0リッターエンジン（M20A-FXS）をベースにした専用ハイブリッドシステムを搭載。

　さらに、GR専用のSPORTモードではアクセルレスポンスを向上させ、電動モーターとエンジンの協調制御により、スポーティな加速フィールを実現しています。

　トランスミッションには専用10速シーケンシャルシフトマチックを採用し、発進から高速域までダイレクトな走りを楽しめます。駆動方式はE-Four（電気式4WDシステム）を組み合わせます。

　足回りにも徹底した専用チューニングが施されており、サスペンションには専用のマクファーソンストラット（フロント）とダブルウィッシュボーン（リア）を採用。

　ブッシュの高硬度化やばね定数の変更、車高の10mmダウンによる低重心化などにより、コーナリング時の安定性や乗り心地を高次元で両立させています。

　また、リヤバンパーリインフォースを追加することでボディ剛性も強化され、よりフラットな走りを実現しています。

　デザイン面では、フロントフェイスにFunctional MATRIXグリルを採用し、ワイド＆ローの印象を強調。アッパーグリルとヘッドライトを一体化させた水平基調のデザインが、GRならではの力強さと先進性を演出しています。

　加えて、専用19インチアルミホイールやブラックアウトされた外装パーツ、GRロゴ入りのレッドキャリパー（オプション）など、細部までスポーティさを追求しています。

　インテリアも特別仕様で、GRロゴ入りのスポーツシートはスエード調の滑りにくい素材を採用し、コーナリング中のホールド性を高めています。

　専用ステアリングやアルミペダル、スモークシルバー加飾など、視覚的な質感と操作性の向上が図られています。また、専用スマートキーまでGR仕様というこだわりようです。

　さらに、カローラクロスGR SPORTには、日常の運転を快適かつ安全にする先進機能も充実。

　トヨタセーフティセンスによる予防安全機能に加えて、アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなどの運転支援機能も搭載されており、高速道路での長距離ドライブも安心して楽しめます。

　快適装備としては、前席シートヒーターや運転席パワーシート、デジタルキー対応のスマートエントリーなどが用意されています。オーディオにはコネクティッドナビや10.5インチの大型ディスプレイオーディオが標準装備されており、スマホ連携機能も充実。日常の利便性とエンタメ性も抜かりありません。

　外板色には「エモーショナルレッドII」「プラチナホワイトパールマイカ」「アッシュ」などを含む位モノトーン5色に加え、ブラックルーフとの2トーンカラーも3色設定し、全8色展開です。

　新型カローラクロスGR SPORTの発売は、2025年8月4日を予定。価格（消費税込）は389万5000円です。

　手に届きやすい価格でGRシリーズの世界観と走行性能を楽しめるモデルとして、日常使いはもちろん、ドライブが好きな人にも強く訴求する1台です。