恐怖!? 今も減らない「クルマの盗難」 実は犯行直前の“予告”があった!? 盗難前に愛車に残される「あなたのクルマ、盗みます」サインとは?
今もなお、一向になくならないクルマの盗難ですが、実は盗まれる前にサインがあるといいます。一体どういうことなのでしょうか。
「あなたのクルマ、狙ってます」 サインが存在
自動車盗(クルマの盗難)の件数は、2000年代中頃のピークからは10分の1ほどにまで減っているものの、現在も全国で年間6000件以上が発生しています。
盗難の予防には事前の対策が必要になってきますが、実は盗難被害の前には、その予兆ともいえる行為が確認されているといいます。

新車にセキュリティ装置が標準装備されたり、市中に防犯カメラが設置されていることなどから、自動車盗はピークのときから減少しました。
しかし、警察庁の最新データによると、2024年には6080件あり、単純計算で1日約17台が盗まれているということになります。
また、かつての自動車盗は車種や地域を限定せず、キーをつけっぱなしにしたり、エンジンがかかっているクルマを持ち去るなど、突発的な犯行が多くありましたが、今では一部の地域で、特定車種にターゲットをしぼり、計画的に狙っています。
これは、窃盗団はクルマを盗んだあと、海外輸出して中古で売りさばくためです。そのため、海外で人気の車種にしぼり、輸出しやすい海に近いエリアで活動しています。
主にターゲットにされるクルマは、中東で人気のトヨタ「ランドクルーザー」や「アルファード」、レクサス「LX」「RX」、東南アジア地域で人気のトヨタ「ハイエース」や「プリウス」などがあります。
さらに、農作業などで付近にそのまま停め置かれることの多い軽トラック スズキ「キャリイ」のほか、いすゞや三菱ふそう、日野の中型トラックの盗難事例もあります。これらは輸出以外にも、詐欺や強盗など直接別の犯罪に使われるケースもあります。
いずれにせよ、セキュリティやロックなど、事前の備えが必要になりますが、実は盗難の予兆ともいえる事象があります。
それが「チラシ」です。マーキングともいわれます。
時々、フロントガラスとワイパーの間などに、「高価買取」「査定無料」などの文言とともに、連絡先として携帯電話の番号が書かれている、中古車買取業者のチラシのようなものが貼られる場合があります。
もちろん本当に買取業者が挟んでいった場合もありますが、なかには買取業者を装った窃盗団が盗難のターゲット車両に置いておき、クルマの様子を伺っている場合もあるのです。
もしクルマを頻繁に使う人であれば、チラシに気づいてすぐに取り除くでしょう。ただし、例えば休日にしか乗らない人など、クルマに触れる頻度の低い人は、チラシが何日も挟まれたまま放置されます。
そうすると、管理や監視が疎かになっており、日常的にクルマに乗っていないことがわかるため、盗難してもすぐに気づかれる可能性が低く、逃げ切るまでの時間を稼げると判断されてしまうのです。
このチラシと同様に、タイヤの前にゴミや吸い殻、空き缶などを置いていくケースもあります。
クルマに毎日乗らないという人でも、こうしたマーキングがないか、クルマの様子は毎日チェックしたほうが良いかもしれません。
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セキュリティ装置の標準装備化から盗難の手口も巧妙になっており、今主流なのは違法機器を用いてエンジン始動と解錠を行う、「リレーアタック」や「CANアタック」というものになっています。
こうした手口には、「物理的にクルマを出せないようにする」という対策が効果を発揮します。
例えば、「ステアリングロック」や「タイヤロック」などは、金属製の鍵付きの堅牢なロックで、解錠とエンジン始動を許しても、走って持ち去られることを防げます。
駐車場も機械式立体駐車場など、オーナーでなければクルマを出せないところを選んだり、駐車場内に防犯カメラやセンサーライトの設置、人目につく場所なのかどうかをチェックすることも対策になります。
例えば茨城県警では盗難防止策として、タイヤロック/ステアリングロックのほか、バッテリーを外されても動く「独立型の警報装置」や、盗まれても居場所を特定できる「GPS機器等の搭載」、怪しい人物を録画する「ドライブレコーダーの設置」などを提案。
また、これら「いずれかひとつ」ではなく、複合的に組み合わせることで効果を発揮するとしています。
飲食店やショッピングモールなど、出先の駐車場で狙われたケースもあるほか、目をつけられてGPSを仕込まれ、保管場所や行動パターンを特定する悪質な輩もいるため、そういった機器がないか、怪しい人物やクルマが来ていないかもチェックするとよいでしょう。